遊び方研究所　山の文化・文学

		山の文学・文化私の作品集　過去分 2024.01～

	■作品集　（ ↓ 山の文学　２０１７.０１.０１更新）　■ 山の名著を訪ねて…「山の旅　山の本」「山書の森へ」　他　　■ 山岳画家の世界…中村清太郎・茨木猪之吉・足立源一郎　他　■ 登山の文化史（桑原武夫）・東西登山史考（田口二郎）　他　「私の作品集はＰＤＦで製作されています」　　注…右の「リーダー」をクリックしてダウンロードして下さい（無料）。　（↓　山の文学・文化　更新　２０２４.０１.００）

	【山の文学】山への想い：山をもっと広く深く　■ 山の名著を訪ねて…「山の旅　山の本」「山書の森へ」　他	発表日 2014.03.01

_{山の名著を訪ねて}	■山の名著を訪ねて　　　作品集PDFは　こちら　をクリック ●「山の旅本の旅…登る歓び、読む愉しみ…大森久雄著・平凡社」 ●「山署の森へ…横山厚夫著・山と渓谷社」 ●「山の旅　明治・大正編／大正・昭和編…近藤信行編・岩波書店」 ●「山の名著　明治・大正・昭和戦前編…近藤信行編・自由国民社」 ●「山の名著３０選…福島功夫著・東京新聞出版局」 ●「岳書縦走…雁部貞夫著・ナカニシヤ出版」

_{山の旅・本の旅　　　　　　山書の森へ} 　_{山の旅　明治・大正　　山の旅　大正・昭和} 　_{山の名著　明治大正昭和　　　山の名著３０選}	■山の名著を訪ねて　はじめに ●私は山へ行けない時、山に関する本を読んで「山への想い」をかなえる。ただ、書店の月刊雑誌の「山と渓谷」・「岳人」や「新ハイキング」などは興味を引くテーマの時だけ読む。所詮、山のガイドや山の道具の紹介の域をでない。暇つぶしにはなるが「山への想い」をかなえることはできない。 ●山の小説もあるが。現実の登山を知っている者にとっては、作り話すぎる。山の小説は井上靖の「氷壁」が有名だ。若い時も年を取ってからも読んだが面白いとは思わなかった。新田次郎の山岳小説も全集まであるが、読みごたえがあったのは「強力伝」くらいか。「槍ケ岳開山」や、映画化までされた「剣岳・点の記」も読んだし映画も見たが、やはり何かが足りない。最近も文庫本で伝記的な「山の小説」もどきが出ているが、あまり手を出す気になれない。 ●私の読んだ山の本の中で若い時から記憶しているのは、串田孫一の「山のパンセ」、吉野満彦の「山靴の音」がある。加藤文太郎の「単独行」や松濤明の「風雪のビバーク」なども読み影響を受けた。登山再開後の今では、印象深いのは山口輝久の「八ヶ岳彷徨」と、海外ではガストンレビュファの「星と嵐」を挙げたい。最近亡くなったとの報で読んだ、モーリス・エルゾーグの「処女峰アンナプルナ」もよかった。こうして私の好みをみると、紀行文や随筆（エッセイ）が多いように思う。山岳紀行文と山岳小説の区分は、虚構がないのが、事実に即しているのが、山岳紀行文と言えるのだろうか。 ●有名な文筆家（実は百名山の深田久弥）は言っている。「山は登るだけで結構である。男女のカットウや殺人事件を山の上まで持っていく気はない。平地でたくさんだ」。まさにその通りだろう。ただ、山岳小説を認めたくないのは、登山をする人だけが言えることなのかもしれない。 ●私の山の本漁りは、若い時も今までも、このように行き当たりばったりの状態が続いていた。時間の余裕ができた今、腰を据えて「山の本」を読んで、しかも私なりの書評もしてみたいと思うようになった。まず手掛けたのが「山の本を紹介している本」探しだ。近場の図書館や、大型書店や、専門の古書店、さらにはネットのアマゾンまで、あたってみた。 ●そこから見つけ出したのが、ここで紹介する「山の本」の本である。最初の二冊（「山の旅・本の旅」、「山書の森へ」）は、「登山」だけでなく「読書」も…とのお勧めの本である。特に、大森久雄の「山の旅・本の旅」が私はいいと思う。後の四冊は、系統的・具体的に、個別の本を紹介している。 ●近藤信行編の岩波文庫「山の旅」（二冊）は、明治・大正・昭和に活躍した人たちの、著作を直接掲載している。残りの三冊は、具体的な書作の解説や著者の紹介をしている。この四冊の中では、近藤信行が代表編集の「山の名著…明治・大正・昭和戦前編」が、私のお勧めである。ただここでは国内の本が中心で、海外の著作（翻訳本）は、福島功夫の「山の名著３０選」の海外編を読まなければならない。まず国内の本から選んで、山の本を楽しんでみてほしいと思う。

	【山の文学】山への想い：山をもっと広く深く ■ 山岳画家の世界…中村清太郎・茨木猪之吉・足立源一郎　他	発表日 2014.02.14

_{山岳画家の世界}	■ 山岳画家の世界　　作品集PDFは　こちら　をクリック ●「丸山晩霞・吉田博」　　・丸山晩霞（油彩画）作品集　　・吉田　博（油彩画）作品集　　・図書「山岳にあこがれた男たち」 ●「大下藤次郎」　　・大下藤次郎（油彩画）作品集　　・図書「生誕百二十年　大下藤次郎展」　　・図書｛水彩画家　大下藤次郎」 ● 「茨木猪之吉」　　・茨木猪之吉（油彩画・素描集）作品集　　・図書「山の画帖」 ●「中村清太郎」　　・中村清太郎（油彩画・素描）作品集　　・図書「山岳礼拝」 ● 「石井鶴三」　　・石井鶴三（油彩画・素描集）作品集　　・図書「石井鶴三素描集・第一巻」 ●「足立源一郎」　　・足立源一郎（油彩画・素描集・他）作品集　　・図書「山に描く　絵と文」　　・図書「足立源一郎スケッチ帖」

_{丸山晩霞・吉田博　　　　　　大下藤次郎} 　_{茨木猪之吉　　　　　　中村清太郎} _{石井鶴三　　　　　　　　足立源一郎}	■ 山岳画家の世界　はじめに ●私は「山」に関する本はよく読む方だと思う。若い時も今も、山のガイドブックや「山と渓谷」などの月刊誌は、実際に「山へ行く＝登山」のために必要なので読む。でもこれは登山行為の一環であって、文学的でも芸術的でもない。山＝登山が「心の世界」へも入り込んでくるには、やはり先人たちの紀行文や随筆、絵画や写真にふれなければならない。 ●若い時から山の本、例えば「松濤明＝風雪のビバーク」や「加藤文太郎＝単独行」など、多少ヒロイックなものから、文学的な「串田孫一＝山のパンセ」などまで、山に行けない時によく読んでいた記憶がある。仕事を引退し、登山再開後は、時間の余裕もあるので、少し系統立てて、じっくり読むようになった。もちろん、近藤信行らの「山の旅」や「山の名著」などに、読書のガイドをされながらだが。 ●山を愛する登山家で画家を山岳画家というらしい。私が山岳画家をまず知ったのは、田辺重治や小暮理太郎の紀行文「わが山旅五十年」（田部）、「山の想い出」（小暮）によく登場する「中村清太郎」である。山の同行者として登場していた。改めて今回のテーマで調べてみると、中村清太郎は、「山の旅」や「山の名著」で、彼の随筆「山岳礼拝」が紹介されていた。彼の山の油彩画や素描（スケッチ）も、彼の文章も初めて見て読んだ。ただの登山家とは異なる感性が見てとれる。 ●活躍した年代に準じて山岳画家といわれる人たちを紹介してみる。木下藤次郎は、岩波文庫の「山の旅」で「白峰の麓」（注…南アルプス・早川辺り）が紹介されている。水彩画の大御所である。彼の登山経験は、小島烏水らと重なる、画家としても開拓期の時代である。 ●茨木猪之吉は、「山の名著」で画文集「山旅の素描」が紹介されている。また、「山と渓谷」（注…岩波文庫・田辺重治著）表紙に茨木が描いた田部と小暮の山旅姿があり、また、他の紀行文にも当時の著名岳人の人物スケッチが多い。 ●足立源一郎は、「山の旅」で随筆「山を描く楽しさ」、「山の名著」で画文集「山に描く」が紹介されている。私は知らなかったが、絵の好きな私の友人（高校の同級生）が、彼の画を見に「大町の山岳美術館」へ行きたいと言っていたのを思い出す。調べてみると足立源一郎の子息が、現在「河口湖美術館」の館長で、常設展で油彩画やスケッチも展示しているという。かの友人を誘って一度行きたいと思う。 ●石井鶴三は、茨木、中村、足立と活躍の時代は同期だが、「山の旅」や「山の名著」では出てこない。日本山岳画協会創立当時の「丸山晩霞」や「吉田博」も同様である。 ●さらに、今回紹介していない、新しい時代の画家では、「山川勇一郎・ヒマラヤ画集」、「畦地梅太郎・版画集・山の目玉／画文集・とぼとぼ六十年」加藤泰三の画文集「霧の山稜」や吉野満彦の画文集「山靴の音」などがある。いずれかの機会に、また調べてみたい。

	【山の文学】山への想い：山をもっと広く深く　■ 登山の文化史（桑原武夫）・東西登山史考（田口二郎）　他	発表日 2014.01.30

_{登山の文化史}	■ 登山の文化史　　　作品集PDFは　こちら　をクリック　「登山の文化史…桑原武夫著・平凡社ライブラリー」　　　桑原武夫は…私の考えによれば登山とは文化的な行為　　　である。文明人のみのなす行為である…と述べている。　「東西登山史考…田口二郎　著・岩波書店」　　　田口二郎は、北アルプスなどの探検的登山と、奥秩父　　　など深林渓谷を親しむ静観的登山とに分類した。　「新稿　日本登山史…山崎安冶著・白水社」　　　黎明期の登山の舞台は「上高地・北アルプス」が中心　　　で、多くの本で詳しく紹介されているが、この登山史　　　では、一方の「南アルプス」の登山についても詳しい。　「新稿　日本山岳文学史…瓜生卓造著・東京新聞出版局」　　　明治の小説家、幸田露伴、徳富蘆花、田山花袋、詩人・　　　歌人の大町桂月、河東碧梧桐など、著名文人の山旅の　　　作品や自然観が紹介されている。　「岩と人　日本岩壁登攀史…斎藤一男著・東京新聞出版局」　　　著者は、社会人山岳会で、尖鋭的な登攀で名の知れた　　「山岳同志会」の創設者の一人なだけに、各章が岩登り　　　讃歌にあふれている。

_{登山の文化史　　　　　　　東西登山史考} 　_{日本登山史　　　　　　　日本山岳文学史} _{岩と人　日本岩壁登攀史}	■山を広く深く知ってほしい ●山を広く深く知ってほしい…この気持ちには、実際の山登りをさらに極めてほしい、という側面と、山登りの文学・芸術や思想・哲学・科学など、さらにわが国と世界、現在と歴史にも視野を広げ理解を深めてほしい、という側面がある。つまりは、実践的であり理論的でもある、総合的な岳人（学人）になってほしい…が私の願いだ。 ●山好きな若い人たちはもとより、私と同じ中高年の人たちも、さまざまな事情で山に行けない時にはどう過ごします？山への想いをどのようになぐさめます？…山に凝り固まった人でない限り、日々巷（ちまた）には気晴らしは満ち溢れており、この問いに答えるのは簡単だろう。多くの人はそうして時を過ごす。そして山登りが趣味・旅行の範囲を超えない。 ●ここで、偉そうなことを言っている私の若い時も、もつぱら実践一筋、読むものといえば、ルートガイドもどきの、当時の月刊誌「岩と雪」や「山渓」やテクニカルの専門書くらいだった。ただ、山岳会の「会報」に山行ごとに記録やルート図をかくことが決まりとなっていたことが、私の山登りの質を高め、文学や思想の世界へ視野を広げることとなった。 ●ここでは、山に行けない時、さらに山が楽しくなるよう、山の理論的な側面（私の言う…心の旅＝思索の世界）を、先人の残してくれた書物を通じて、広げていくようガイドしていきたい（中高年になって、時間や気持ちに余裕ができて、やっと可能になった）。